裏庭

宝塚。舞台いろいろ。

雪組『ファントム』第1幕の感想文。※ネタバレ有。

 

華やかなパリの街に暖かい灯がともる頃、何処からともなく現れたうろんな案内人に誘われて不安気に煌めく月が沈むセーヌ川を小舟にゆられて辿りついたのはパリの闇がいちばん深い場所・・・それはオペラ座の地下の小さな沼の辺に住んでいる怪人の棲家。人々は声を顰めて彼をこう呼ぶ、“オペラ座の怪人”と―。

そんなナレーション付きの「オペラ座の地下バーチャルツアーへようこそ」みたいな映像は新鮮なわくわく感をあたえてくれた。再演4回目にしてパリにおけるオペラ座地下の位置関係やエリックのお家の間取りを垣間見ることが出来たのだ。そして某ねずみ王国のアトラクションのように映像が観客をオペラ座の地下へと誘う。

暗くなまぬるい風が吹く洞穴の中に一輪、はかなげにふるえながら咲く白い花。その白い花から花弁が一片、こぼれる。花弁がスクリーン中央に堕ちると、幕が上り、そこに現れたのは―、オペラ座の怪人・・・望海エリック。まるで白い花弁が姿を変えて現れたかのような演出。白い花はクリスティーヌの象徴だと思っていた。実際、そうなのだとは思うのだけれど、え、何、あの白い花はエリックだったの???としか思えず、思えず・・・。

 

望海エリックと従者たちがこの世に生まれてからずっとその身を呑みこんできた苦しみの海で溺れながらもがくように踊る。その混沌を裂く白い光。光は人のカタチを成して現れた。それは聖母マリア・・・朝月さん演じるベラドーヴァ。エリックにとって聖母マリアは母、ベラドーヴァであった。ゆえに観客はエリックの目をとおして、あるいはエリックの心のなかをのぞきながら聖母マリア(朝月ベラドーヴァ)の姿を見ているのだと、そう感じた。従者たちも聖母マリアに懇願するように手をのばす。彼等が視ている聖母マリアはどんな姿をしているのだろう。彼等もかつて母の愛を失い、そしてその失った愛を求めつづけているのだろうか。従者たちはエリックの心を映す鏡のような存在でもあり、そしてまた、彼等には彼等の物語が在り、彼等もまた、失ったものを求めて死の苦しみさえも及ばない苦界をひとりの人間として生きているのだろう。

少人数になったからか、従者ひとりひとりの個性と物語が色濃く、はっきりと解るのが今回の『ファントム』。今までも従者に対しては過剰なドリィ夢を抱いてきたので勝手に自分のなかでどんどん物語は生まれてきたし二次創作もしましたけどね。真瀬くん本人によるセルフ従者設定は伝説だと思う。

今回の従者の設定にも興味ある。ちなみに私の脳内ではあんな設定こんな物語がすでにいろいろ出来上がっています。うすい本6冊は出せる。

聖母マリア―ベラドーヴァを見つけると母親をみつけた迷子の子供のような顔をして駆けよる望海エリックはほんとうに幼い子供のようで、これはエリックが子供の頃の心象風景なのかと思ったのだけれど、エリックはもうずっと長いあいだ、こうやって母を求める子供のままだったのだと知ると、身が捩じ切れてしまいそうなほど苦しくなった。母の幻影にすがりつくその手を掴んで抱きしめたかった。理性が私の肉体を客席に縛りつけていたけれど、魂は舞台にダイブしていた。きっと総客席みな同じだったと確信している。どうして望海さんはあんなに「かわいそかわいい」演技宇宙一なの。

 

幕開きだけでこの文字数。実際、舞台から受け取るものはこれ以上で、もうこの時すでに私の魂マイナス10kgだよ。

 

オペラ座通りで歌いながら楽譜を売る真彩クリスティーヌ。楽譜を売っている、と云うよりも、歌を売っている、と云うほうが合っている。まさに、楽譜を手にするとそこからクリスティーヌの歌があふれてくるような、そんな魔法のように不思議な歌声を真彩クリスティーヌに感じたからだ。それって現代だと路上でCDを売っているストリートミュージシャンなのでは。

それはさておき、ここからは二次創作の領域になるのだけれど、あの子はだあれ?見たことがないなあ!そう、クリスティーヌは何処からやってきたのだろう。原作ではクリスティーヌの生立ち等の設定が記されているけれど、この『ファントム』ではそのあたりにふれてはいない。そう、クリスティーヌは突然、パリの街に現れたのだ。まるで、神様がエリックの魂を救うために生まれたばかりの天使を地上に遣わしたかのように。私のかわりにあの子を抱きしめてあげてほしいの、そう、神様にお願いをしたのはもちろん朝月ベラドーヴァさん。地上に舞い降りた天使クリスティーヌの背中から翼は消え、天上界での記憶も失ったクリスティーヌの手には、楽譜がひとつ。クリスティーヌは楽譜を手に、パリの街へ翔けだした―・・・。はい、二次創作終わり。もういくらでも物語が生まれてきます。 

陽気なパリの紳士たちの手をとり歌いながら踊る真彩クリスティーヌの表情は、ひとりひとりの行動に合わせて、びっくりしたり、楽しんだりとくるくる変わる。一瞬たりともおなじ色をしていない瞳がキラキラしていて、その背中には見えないはずの翼が見えるようだった。天使。もうクリスティーヌが天使なのか真彩ちゃんが天使なのか・・・。

トレビアン!と聴くと、悠未さんを思いだしてしまう。ぜんぜん違う、トレビアン!だけれど。

望月ジャグラーの回してる座布団(ざぶとんに見える)が気になって仕方がない。まだ回ってる・・・、まだ・・・すごい・・・とまらない・・・、ついチラ見してしまう。いつも回ってる。ほんとすごい。

永久輝くんは可愛い子には声をかけるけど遊びってわけではなく本気が大量生産されているだけな紳士で、煌羽さんは可愛い子には声をかけるのが紳士の礼儀だけどこいつ、本命は絶対他にいるな・・・といつも何故か思ってしまう。綾くんは、めちゃくちゃ好みのタイプの子いたー!て思っていそう。

そして満を持してシャンパン王の登場です。ふわっ・・・と点描をまといながら花を背負って現れるのが彩凪シャンドン伯爵。キラキラエフェクトでキラ星をとばしながら現れるのが朝美シャンドン伯爵。彩凪シャンドン伯爵は大人のスマートさでまだ少女のクリスティーヌに優しさと敬意をもってその歌声を讃えながら、でも、ちゃんと口説くことも忘れない、そんな余裕がある。そしてもう伯爵と云うかプリンス。しかも白馬に乗る系じゃなくて飛竜に乗ってやってくる系プリンス。オーラが白銀。

朝美シャンドン伯爵は若くして地位と名誉と成功を手に入れた今まさにノリにノっている青い春まっさかりの若者。可愛いくて才能のある女の子は僕が成功を約束してあげるよとばかりにためらいなく手をさしのべる。君がハッピーなら僕もハッピーさ理論でまわりを明るくする才能を感じる。オーラはミラーボール。

オペラ座通りはパリの陽の部分を象徴するような場面。パリと云う街が持つふたつの顔のひとつ。まさに、仮面の無いほうの顔。そして場面は、パリの仮面の下に隠された顔をのぞかせる・・・。

 

すごい数の蝋燭。ちょっと多すぎない?カルロッタの、「古い衣裳とか、古い大道具とか、」何と云うことのないセリフのようだけれど何故か印象にのこるセリフ。カルロッタの、たとえ古い大道具でさえ自分が知らないことがあるなんて許せない自分は何もかもすべてを牛耳りたいと云う独裁と強欲さと、そしてある意味、オペラ座を経営する経営者としての意気込みを感じる。

望海エリックが天月ブケーさんを、突然の来客、にたとえた話には頷いてしまった。そうだよね、アポなしで突然来られてもびっくりしちゃうよね。ブケーさんが悪い。エリックはブケーを殺すつもりはなかったのだろう。ちょっと脅かして早々にここから出て行ってくれればよかった、そう思っていたのに、ブケーがエリックの顔を見てしまい、ちょっと、ではなくめちゃくちゃ驚いてしまったために足を滑らせ下へと落ちてしまった。あれは事故であった。そしてエリックはその望まぬ死を招いた自分の醜い顔を手で覆い、絶望する。ブケーの死よりも、顔をみられたこと、その顔を見て人が死んだこと、そのほうがエリックにとっては辛かったのだろうと思う。

自分の存在は呪いでしかないのか。自分にとっても、他の誰かにとっても。望海エリックの嘆きのような歌声は哀しい絶望に満ち々ていた。

 

夜のために着替えをしよう。この歌詞の意図が、貴族ばかりではなく労働者階級の人々が仕事のあとに仕事着からドレスに着替えてオペラを観に来る時代の到来を意味していると今回はじめて知り、華やかなドレスを着て誰よりも目立とう!(成功し、お金をもっていることを誇示しよう)と云う、俗っぽいけれど、民衆が身分に関係なく社会の中心で活躍している力強さと新しい時代を感じることができた。ある意味、エリザベートの「ミルク」やスカーレットピンパーネルの「ひとかけらの勇気」と同種のものを感じた。そして舞台裏では初日の幕が上るまえの昂揚感にあふれていて、それぞれが自分の仕事をしている様子が楽しく、目が足りない。黒いかっちりとしたドレスにきりりと杖を持つ早花マダム・ドリーヌと眼鏡っコ白峰ルルさんが特にお気に入り。初演からマダム・ドリーヌが大好きだった。某ホテルで貴柳さんをお見掛けする度に、マダム・ドリーヌの姿を思いだしていた。白峰さんのキャラづくりは天才的だと思う。

そしてちゃんと初日の様子を見守っている望海エリックさん。オペラ座は自分のもの。エリックはオペラ座と、そのオペラ座で情熱をもって舞台に邁進する団員たちのことを大切に思っていたのではないだろうか。上達した子にはひそかに拍手を贈っていたり、挫折しそうな子にはそっとエールを贈る。オペラ座は僕のもの、そして団員たちは僕が育てたくらいに思っていそう。(調子にノリがちなエリック。)

 

彩凪ショレと朝美ショレに対する舞咲カルロッタさんの態度の違いがあからさまで、カルロッタも舞咲さんひとりAパターンBパターンなのかなと思うくらい。

朝美ショレは舞咲カルロッタさんのことをほんとうに世界でいちばん可愛いと思っているのがよくわかる。彼女の才能をミリも疑っていない。まさに盲目。最初、朝美ショレのビジュアルを観たときはびっくりした。ここまでやっちゃう?!あのキレイな顔を惜しげもなくギャグキャラにしている・・・、この、キレイな顔面への執着の無さは少年漫画の主人公だ。殴り合いでボッコボコにされても傷とかついてもてんで気にしない、美形設定なのにデフォルメされまくりの少年漫画のヒーローだ。朝美さんの徹底した役作りが好き。役に対するビジョンがはっきりしていて、自分をその役にどんどん近づけようとする、ひたむきな貪欲さを感じる。

彩凪ショレさんはちょっとかわいそう。カルロッタさん、ちょっとはデレてあげてーと思ってしまう。(東京Bパターン楽にちょっとだけデレてくれました!)あのお髭と奥さんの尻に敷かれている、ちょっと臆病などなどの設定でイメージが出来上がっているけれど、よく見たらそりゃ中身は翔くんなので、実は長身で美丈夫と云う現実。もしかしたら大きな心でカルロッタが何をしてもすべて受けとめてあげているのかな、と思ってしまう。

彩彩フィルターがかかっているので、彩風キャリエールは実は彩凪ショレが恐がりだと云うことに気づいていて、ワザとあおっているのではとか思ってしまう。彩凪ショレに対して攻な姿勢を感じる。凪さまおばけ恐いんですね・・・?て云う心の声も聞こえる。(幻聴)

「あなた方の知らない妖精や、決まり、そして私には責任があるんです、」妖精・・・ではなく要請だと云うことは解っていますが、妖精・・・エリックちゃんのことかな・・・?確かに妖精さんみたいなモノだよね・・・こう、座敷わらし的な。怪人、よりも妖精とか妖怪とかのほうが似合う気がする。

ショレにファントムからの手紙を胸につきつけられて、そ、とその手紙をおさえる彩風キャリエールの手がとても丁寧で何か大切なものでも扱うようでとてもエレガント。溺愛している息子がいっしょうけんめい書いた手紙だもんね。

 

支配人を解任されてしまったことをエリックに告げるキャリエール。エリック、わりとあっさり受け入れてるよね。

おまえと交代する男は幽霊の存在を信じるかな?!エリックの関心は既に新しい支配人に在るようで、もっと理由とか訊いてくれたり寂しがってくれたりしてもいいのでは・・・、とか彩風キャリエールさん思っていそう。

でもね、エリックだって一瞬、ジェラルドがいなくなってしまう、て思ったと思うんだ。でも、それは飲み込まなくちゃいけない想いだと云うことをエリックは知っていたから、その気持ちに気づかなかった振りをしたのだと思う。その葛藤、わずか2秒。

でも彩風キャリエールもエリックに、おまえと一緒にここを出ていくよ!と言われたときは嬉しい反面、それは無理だと云うことが解っていたから、一緒に行こう、と言えなかった自分を責め、あとでひとり落込んだんだろうな、と、親子であることを明かせない故に、自分の本当の感情に目を背けなければならないこの、父子の会話に、胸が痛む。

彼等がいるじゃないかきっと君の助けになる。苦しまぎれにでてしまった、まるで言い訳。キャリエール自身も自分で言いながら虚しい言葉だとちゃんと解っていただろう。人に丸投げしようとしてんじゃねえよ、と、従者たちもツッ込みたかったことだろう。

自分の事だって何もできやしない僕が食べものを手に入れてやらなかったら飢え死にしてしまうさ!これも説得力皆無の台詞で、たぶんみんな(キャリエール、従者、観客)そんなことないんじゃないかな、と思ったよね。従者たち、どう考えてもエリックより生活能力高いでしょ。特に沙月従者さん(前職、貴族のお屋敷のメイド長。注:私の個人的希望)の万能感。諏訪従者くんもそこはかとなく有能感ただよってる。

エリックが自分で調達してる、と思ってる食べ物はキャリエールさんがさり気なく用意してくれている(栄養がかたよらないように献立もちゃんと考えている。おやつ付き。)ことをエリックは知らない・・・。

僕をあたたかくむかえてくれる優しい人たちはどこにいるのだろう・・・。エリックーうしろーうしろにいるよー!君を誰よりも深く深く愛している人がものごっついさみしそうな目でみているよー気づいてー。

エリックに歩みより手をさしのべようとするキャリエールに従者たちがにじり寄る。その気配をさっして身を引いてしまう彩風キャリエール。またかよ!そこは従者たちの保護者オーラをふりきって抱きしめろよ!あすなろ抱き待ったなし!でも、そこで抱きしめることが出来るのならこの父子はこんなに関係こじらせたりしてないんだよね。

キャリエールをガン無視して愛に飢え愛に渇き愛を求めるエリック。そんなエリックのそばにいながらずっと、キャリエールにとってエリックは「生きがい」だったのだと思うと、エリックちゃんそういうとこだぞ・・・、まさに親の心子知らず。まぎれもなくこの二人は親子なのだ。

カルロッタさんたちに従者の姿は見えないのか。でも従者は幽霊ではない。生身の体を持っている。従者たちは、「いないもの」としていつも扱われてきた。誰も彼等を見ようとしない。気にとめることもない。人は、見ようと思わなければ見えるものも見えないのだ。的なことなのでは、と云うのがひとつ。あとは、工作(建築関係)が得意なエリックちゃんがオペラ座の部屋中に仕掛けたカラクリによるものなのかな、と云うのがもうひとつ。どうなのかな。

ここ。カルロッタへのイタズラに笑う従者ちゃんたちの貴重な笑顔を見る事が出来ます。笙乃従者ちゃんが笑ってるー!かかかかかかっわいー!カルロッタさんとヴァレリウスさんと縣従者くん、いい仕事した。

 

素敵な笑顔はともかく、きれいな足とか、あのスカート丈で足を見るってどういう状況なんだろう。「君の美しい脚はスカートのなかに隠れていてもわかるさ、」とか言うのかな。彩凪くんと朝美くんじゃなかったら許されないセリフだな。綺麗なお洋服にいたっては、そんな理由でスカウトしていいものなの?けっこうスカウトの仕方がいいかげんだなと思うけど、シャンドン伯爵親衛隊の女の子たちみんなちゃんと踊れるし歌えるし、あのわずかなあいだでクリスティーヌの歌声に目をつけたところとか、シャンドン伯爵の審美眼すごいな、と思う。手当たり次第に可愛い子に声かけまくってるわけじゃなかった。

あの方は私が歌っているのをお聴きになったのです、と言うクリスティーヌの言葉に、す、と視線をむける奏乃ジャン・クロード。奏乃さんがスカステで、この子は伯爵が連れてくるいつもの子たちとはちょっと違うぞ、と云うことを意識して演技をしている、と言っているのを聴いてから、ここの奏乃ジャン・クロードに注目している。

私だけを愛してくれていると思っていたわ、とうそぶく彩ソレリに、んべーっ、てあっかんべーする三人娘がかわいい。そして彼女たちをからかう潤花メグちゃん。ここの女の子たちのわちゃわちゃ好き。潤花メグちゃんを見るとルルー@ベルばらを思いだす。

しょんぼりして帰ろうとする真彩クリスティーヌ。落胆と、自分がオペラ座でレッスンを受けるなんてやっぱり夢だったのだと云う諦念に小さくなった肩がとても可哀想そうで、ジャン・クロードも何とかしてあげたいと思ったのだろうか。クリスティーヌは新しい支配人の元へ案内される。

 

舞咲カルロッタ。あの、ちょっとやりすぎて残念感ただようところがまさに、カルロッタだな、と思う。舞咲さんが本気だけで歌ったら誰もが認める実力者になってしまう。あの、♪こ・の・オーペヘヘヘラァ座あにぃ~、のところの歌い方とか何かむかつくもん(笑)オペラ座は私のモノ!の熱唱には圧倒されて聴き入ってしまう。それにしても舞咲さん喉強い。わりとむちゃなかんじでがーっと歌っているようでむちゃじゃないのだろうなと、シロウトながらに思う。舞咲さんはドラマティック歌姫です。『アルバトロス南へ』の舞咲さんイチオシだから。観て。

叶くん毎回違う歌を歌っている。今や皆の期待にこたえようとする気合いを感じる。印象にのこっているのは、ドラえもんのテーマ。うっかりガトえもん思いだしてしまった。

 

ジャン・クロードの機転により、クリスティーヌに有力なパトロンがついていると知った舞咲カルロッタと朝美ショレは、むかいあってちゅーってする。彩凪ショレとはハイタッチ、するかと思いきや肩すかしをくらってしまう彩凪ショレさん。むなしく一人でハイタッチしたあとに、千風ヴァレリウスさんとハイタッチ。あいかわらずの偏愛っぷりだけど、ここのやりとり好き。

衣装係になってしまったクリスティーヌ。でも、オペラ座にいられるだけで幸せなんです。天使。本気でそう思っているんだろうなあ。わかる。私も宝塚大劇場で働けるなら本望だよ。

楽屋からだんだんと人がいなくなってゆく様子が好き。バレリーナの女の子たちが手をつなぎながら駆けてゆく。梨花ガブリエルさんが最後に楽屋のなかを見回りながら、まだのこって仕事をしているクリスティーヌに、ほどほどにして帰りなさい、と声をかけたりしたのだろうか。皆が家路へ急ぎ、深まるパリの夜が感じられる風景。

 

真彩クリスティーヌがとても愛おしそうにお衣装を扱っていて、ああ、ほんとうにこの子はオペラ座にいられることが嬉しくて、オペラ座のすべてが愛おしいのだろうなあと思った。衣装係も心から喜んでやっている。そして、フ、と見つけた楽譜を手にとりそっと歌いだす。誰もいない楽屋の片隅でひっそりと、そののびやかな声を解きはなつ。誰もいないはずのオペラ座、誰も聴いていないはずの彼女の歌を、オペラ座の地下で耳にしていた者がいた。まさにここ、運命の出逢いの瞬間、エリックの初恋が生まれた瞬間なんだよね。エリックがあのとき読んでいた本はウィリアム・ブレイクの詩集だろうか。母を想いながら夜の帳に抱かれていたエリックが母の歌声に似たクリスティーヌの声と出逢った。エリックにとってはまるで魔法のような出来事だったのだろう。

望海エリックの、うっとりと目を閉じて、恍惚にわずかにひらいた唇が美しくも艶やかで、宝塚補正を加味したとしても醜い顔設定とか無理あるんじゃない?よしんば顔の造作は醜いとしても、思わず触れてしまいたくなるほどの魅力(ふんわり表現)は隠しようがないんじゃないの?むしろ顔の醜さとアンバランスなその魅力は人心を狂わせるものなのでは・・・?そりゃキャリエールも誰にも見られないように閉じこめるわー誰にも見せたくないわー、こわいこわい。

歌っているところを見つかり、怒られてしまうかしら、と、きゅ、と身構える真彩クリスティーヌ。歌声を褒められてクリスティーヌの緊張が一瞬、フ、とほどける。だがこのままではこのオペラ座で歌うレベルには到達出来ないだろう、と言われてしまい、またまたうつむく。でも、ここで君を歌えるようにしてあげたい!僕に君の歌をみさせてくれ!力強いエリックの言葉に、未知なる何かへのときめきを瞳にたたえてエリックを凝、とみつめるクリスティーヌ。真彩ちゃんの感情の動きがくるくると変化するのが手にとるようにみえる演技に魅入ってしまう。

きっと君をみつけるから・・・!このせまいオペラ座の中なんだからそら簡単に見つかるだろ。と思いながら、感極まったエリックの様子に、このひろい世界の何処にいても僕はきっと君をみつける・・・!みたいなドラマテッィクさを感じてしまい、つまり、エリックはこの先クリスティーヌが突然いなくなってしまっても必ずみつけてみせる、と、そう云う気持ちがあふれてしまったのだな、と理解。エリックにとってはこの狭くも広い世界でクリスティーヌに出逢えたことは奇跡だったのだろう。

 

真那ルドゥ警部さん。この人どこまで知っているのだろう?と思ってしまうほどに彩風キャリエールさんにたいしてあまくない?態度が微妙に思わせぶりなのだけれど、何もかもを知っているようにもみえないし、オペラ座の怪人ファントムにたいしてはとことん厳しい態度だし、それにしてはキャリエールさんの言うことほいほい信じちゃうし、あきらかにあやしい態度のキャリエールをまったく不審に思っていないし・・・、真那ルドゥさんはキャリエール派閥なの?

と、思っていたら、ルドゥ警部とキャリエールは幼馴染と聴き、あーなんかわかる。ぽいぽいぽい。だから、ショレにキャリエールの仕業だ、て言われた時も、キャリエールがそんなことするワケないだろう、てカンジで相手にしなかったのか。うわールドゥ警部とキャリエールの物語が俄然気になってまいりました。ルドゥ警部はベラドーヴァとのことどこまで知っていたのだろう。最期、すべてを理解したルドゥ。ジェラルドの気持ちによりそいながらも、どうして俺に・・・俺に相談してくれなかったんだ、と憤りながら、ジェラルドは警察と云う立場の自分に迷惑をかけてはいけないと思っていたのだろうことも解っていて、とてもやりきれない気持ちになったことだろう。ここにも物語が在る。

 

カルメンのリハーサル。煌羽リシャール推しの桜路警官に注目。めっちゃファンサもらってキャッキャしてるのほんとただのファン。パリ市警仕事しろ。煌羽リシャールさんも、君、ボクのファンなの?ありがと、みたいにしっかりファンサしていて意外と神対応。煌羽リシャール、永久輝セルジョ、綾ラシュナルの三人、ソシャゲの乙女ゲー感ある。

綾ラシュナルさんは、疲れて家に帰ってきたら砂糖菓子みたいな微笑みでおかえりて言って欲しい回復系スウィートさんで、永久輝セルジョくんはその視線で刺して欲しい抱きしめられてあばらを折られたいそしてアナタのコレクションにくわえてほしいご主人さま、みたいなコンセプトが売り。私の独断と偏見による勝手なイメージです。でも、いちばん沼が深そうなのは煌羽リシャールさんだと思う。ハマったら絶対ヤバイやつ。

星南さんや娘役ちゃんたちのスパニッシュなお衣裳を堪能出来るの嬉しい。スカートさばき大変そうだけれど、見事に美しく魅せる娘役のスキルすごいな、と思う。

永久輝くんが縛られて下手そでから出てくるのあとになってから気づいた。それからちゃんと観るようにしてる。いやだって永久輝くんが縛られてるんだよ。縛ったのは従者さんたちかな。

カルロッタ主演の舞台をぶちこわすためにリハーサルをめちゃくちゃにしにきた望海エリック。でもなんだかとても楽しそうで、エリックちゃん、ほんとは仲間に入りたいんかな・・・、て思った。

地下にひきこもってたのにめちゃくちゃ踊れるのは、従者たち(超ダンサー)に特訓を受けたかららしいけれど、ひきこもりとは思えないほど堂々としていて、けっこう望海エリック、自分に自信があるよね。僕がいちばん!えっへん!て腕組みながらセルジョたちを上から目線で眺めているし、自分に対する肯定感すごい。ベラドーヴァさんとキャリエールさんの愛情のたまものだね・・・つねに、エリックのこと褒めて育てていたんだろうな。それはある意味、物語としてのエリックの悲劇性を希薄にさせてしまう危うさを含んでいながら、今回の『ファントム』が決して悲劇の物語というだけでなく、もっと大きな、はかりしれない愛の物語であることも物語っているのだと感じた。哀しみや残酷の果てに、つきることのない愛が、この『ファントム』のなかには在る。それにしてもここのえっらそーなやんちゃ望海エリックちゃんかわいすぎない?そりゃめちゃくちゃ愛しちゃうわ。

望海エリックが髪の毛ファッサー、てやってみせるフリがお気に入り。透真文化大臣が、いまあいつファッサーてやったでファッサーて、て真似するのセットで好き。

銀橋上手でアクロバティックなポーズをキメる笙乃従者ちゃんが半獣神のように美しい。銀橋であのパフォーマンスすごい。

 

ふたりの秘密のレッスン。めちゃくちゃ真面目に特訓してそう。特訓プログラムのなかには腹筋とかもあったのでは。

僕は君が着ていくものももう決めてあるんだ!て、ちょっとアレなセリフだし、白無垢みたいなドレスで着てみたらサイズぴったりだしほんとうならちょっと引くところだけど、少女従者ちゃんたちの存在により、そのあたりは沙月従者さんと笙乃従者さんが活躍したんだろうな、と思えるのでオールオッケイです。一幕と二幕の間でタイターニアのお衣裳をお着替えさせたのも少女従者さんたちです。ほんと少女従者設定万能。

 

実はエリックは女の子だった設定の可能性を考えては、和央、春野、蘭寿・・・、いやいやいやないないない、と打ち消してきたのですが、少女従者の存在によってふたたびその可能性が浮上してきてしまいました。やはりエリックちゃんの身のわまりの世話をするのに男の子たちだけではいろいろと不都合があるのでキャリエールさんが女の子を連れてきたのです。そしてまんがいちのときのために普段から男の子として振舞うよう教えたため、あのような言葉遣いになったのです。格好も男の子の洋服を着せて、でもせめて美しく飾ってやりたいと思いあのようにふりふりキラキラなお洋服になったのでした。でも冷静になって考えてみると、・・・別にエリックが女の子でも何の問題もないというか、物語にとってそれはさして重要なことではないと気づきます。クリスティーヌとの関係だって女の子同士だったとしてもなにひとつ変わることはない。顔の傷のことを考えると残酷ではありますが、そしてよりキャリエールとの関係があやういものになるようなそれはまあおいておいて、これもまたifの物語のひとつ。

 

現在、オペラ座のおむかいにあるのはビストロではなくユニクロだと聞いたときの衝撃。

ビストロに現れたキャリエールとシャンドン伯爵が親し気に抱擁しあう様子をみて、歳がけっこう離れているはずだけれど、シャンドン伯爵は博識で美を愛するキャリエールを自分の父親のように慕っていながら年上の尊敬できる友人と思っていて、キャリエールも自分を慕ってくる息子と同じくらいの年頃の聡明な伯爵に対して親心を感じながらも、この青年のように光り輝く道を歩むことの出来なかった自分の息子を思いながら、複雑な気持ちでいたのだろう。

このときはじめてキェリエールが解任されたことを知ったシャンドン伯爵。まあ、メールとかあるわけじゃないからそう簡単にお知らせ出来ないよね。彩ソレリちゃんが伯爵と親密な仲だったら彼女からそのことを聴くことが出来たはずだから、つまり、そのあいだシャンドン伯爵と彩ソレリちゃんは二人で会ったりしていなかったわけで、彩ソレリちゃんもその他大勢の女の子たちのなかの一人にすぎないことが決定でちょっとかわいそう。彩ソレリは、はじめはシャンパン王の恋人だなんてステキ、くらいにしか思っていなかったのだけれど、クリスティーヌを想う伯爵の真摯で強い眼差しに心打たれ、本気で伯爵のことを愛しはじめてしまう。他の女の子のことをこれほどまでに愛している伯爵の心が自分に無いことはわかっていたけれど、彼の力になりたい、そう強く思う彩ソレリの想いがむくわれる日が来ることを願いたい。

みんながカルロッタの歌に微妙な反応をしているなか、まあ、なんてすてき・・・!てマジで思っていそうな心にいっぺんの曇りもない真彩クリスティーヌが天使だし、クリスティーヌはどんな人のなかにもほんの欠片でも存在する美しいものを見つけることが出来るのかもしれない・・・と思った。やっぱり天使だった。

フルえる声でよわよわしく歌うクリスティーヌ・・・からの、怒涛の超絶スペシャルグレイテストファビュラスな歌声の洪水!洪水!洪水!!!説得力すごい・・・!素で驚くわ。ほんとうに、びっくりした。知っていたけれど、いやでも、こんなだなんて知らない、こんなだなんて・・・!こんなにだなんてー・・・!自分がその場に、ビストロにいて、奇跡を目の当たりにしてしまったきもちです。舞台と客席と役者と観客の境界がなくなってすべてが真彩クリスティーヌの歌声に呑みこまれた。

このときの真彩ちゃんの、これが私の声?ほんとうにわたし歌っているの?声が、声があふれてくるわ・・・?!みたいな、戸惑いながらも歓喜にふるえる繊細な演技に、うんうん、そうだよ、君が歌っているんだよ、ちゃんと歌えているよ・・・!と、心の中で頷いている。もう気分は、ずっと練習しているのを見守ってきたエリック先生と、その奇跡の歌声爆誕の瞬間に驚いているビストロの観客、両方の気分だよ。

このときの望海エリックのお衣裳好き。青を基調にした晴れの日に着るとっておきの美しい服。ダークグレーの外套を縁取る青の刺繍と金モールがアクセント。エリック、ちゃんと仮面と服のコーディネイトを合わせていて、これ真ノ宮従者くんあたりのセンスかな・・・(なんとなく真ノ宮従者くんはおしゃれのセンスがあるイメージだよ。)

クリスティーヌのお祝いの日だからうんとおしゃれしなくちゃと意気込むエリックにあわせて従者たちも正装しています。少女従者たちの正装・・・誰にお礼を言えばいいの・・・同じつくりのお衣裳なのにみんなそれぞれ印象が違っていて、違うのに同じと云うところがいい。とってもいいbyキャリエール。クリスティーヌの歌声を聴いて微笑むエリックとは対照的に、少しも頬をゆるめることのない従者たち。少し険しい表情で、まっすぐにエリックだけを見ている。その目は何を語っているのか。彼等は、皆に受け入れられたクリスティーヌがこれからどうなってゆくのか、解っていたのかもしれない。一度、光の世界へでていった者はもう、闇の世界へ戻る事は出来ないのだと。彼等はほんとうに、エリックのことだけを心配して、想っているんだなあ。ほんとエリック果報者だよ・・・僕をむかえてくれる優しい人たちはどこにいるんだろう、とか言ってる場合じゃないよ・・・アンタのまわり優しい人たちしかいないやん・・・。

 

クリスティーヌへの恋心を一生懸命に歌うシャンドン伯爵。伯爵の言葉そっちのけで主役を歌える喜びでいっぱいのクリスティーヌ。微妙に噛みあわない二人の会話。混乱しているの、と不安げにつぶやくクリスティーヌを笑顔で受け入れ、今は混乱しているけれどクリスティーヌも自分に恋しているとミリも疑わないシャンドン伯爵。ともすれば傲慢とも思えるそのゆるぎない自信は、疑念や嫉妬などと云う黒い感情を抱くことない美しい世界で育ってきたことが解る。ある意味お似合いの二人だよね。兄妹のようでもある。

幸せそうに寄りそいながらパリの夜へ駆けてゆく二人の後姿を見つめながら、花束をもってたたずむ望海エリック。クリスティーヌのために自分で摘んできた花たち。クリスティーヌには白が似合うからと白い花ばかりをあつめてブーケにした。成功をいっしょにお祝いしようと思って。今夜のクリスティーヌの歌声は世界一素晴らしかったことをつたえたくて。でも、彼女は光が導くほうへと翔けていってしまった。その背中は遠く、眩しくて、もう、見えない。自分は闇の世界にしか存在することが出来ない。でも、ついこのあいだまで自分の世界にいたクリスティーヌは望めばいつでも光の世界へゆくことが出来る。そうして、君もアイツの光に導かれてゆくのか・・・。シャンドン伯爵とエリックの対比が残酷すぎて胸が苦しくなる。でも、エリックも、彼女の愛を失えば、とか、ちょっと突っ走りすぎなところもあるから、その思込みの激しさ、そういうとこだぞ、と思いながら、でも抱きしめたいよ・・・。花弁が砕け散る映像はエリックの心のようで、コロスの白い娘役ちゃんたちは、望海エリックの乙女心か。

二人に、二人で楽しんでおいで、と煽った(煽ったわけではない)彩風キャリエールパパにはちゃんと責任とって欲しいです。

 

ハーブでつくったちょっとしたモノ。よくみると毒々しい青汁みたいな色してる。舞咲さんのオーバーアクションでそれがどんな毒であるか展開を知らなくても解るから、あのあきらかにいじわるそのものな口調とあわせて、クリスティーヌちゃん少しは疑って!やはりクリステイーヌは生まれたばかりの天使説濃厚。

それにしても、ハーブでつくったちょっとしたモノ。がどんなモノなのかもうずっと初演から気になって仕方がない。そういう人いっぱいいると思う。

 

暗転のなか、一心にオケボックスをオペラでのぞく人多数だと思うので私も遠慮なく望海エリックちゃんのスタンバイをしっかり見護らせて頂いております。クリスティーヌのことが心配すぎて指揮者としてのり込む過保護なエリック先生。やっぱりこのとき西野先生は縛られているのかしら。ちゃんと煌羽オーベロンさまが歌うときは左手を、ハイ!て煌羽くんにむけている仕事はしっかりするエリック。指揮者の才能もある、歌は上手いしダンスも出来るし射撃の腕もいいし格闘だってそこそこ強くて建築の才もある。実はけっこうハイスペックなエリック。生まれる時代が違ったのならもっと違う生き方が出来ただろう。

オーベロンの衣裳は望海さんもかつて着たことがある、懐かしいお衣裳。あのお衣裳は印象的すぎて他のお衣裳にはこの先も変更出来ないだろうな。受け継いでいって欲しい。

永久輝くんにウサミミ・・・のようなエルフの耳長をつけさせるのなんだか罪深いなと思ってしまう。

声が突然でなくなる真彩ちゃんの演技がリアルでドキリ、としてしまう。後姿でも、エリックがめちゃくちゃ心配して焦って何とかしようとしているのがわかる。そしてたまらずオケボックスから姿を現してしまったエリック。あの時点ではカロッタの罠だと云うことに気づいていないのだからあんなに取り乱さなくてもいいと思うのだけれど、自分の感情をコントロールする術を知らないから考えるよりも先に体が動いてしまい、そしたら見つかっちゃったから仕方なく乱闘になってクリスティーヌを連れて行ってしまったと云う、どうしてこうなった的な流れがエリックの運命を破綻させることになる、いや、クリスティーヌと出逢ったときにもうこうなることは決まっていたのかもしれないけれど。

あそこにいるわ!潤花メグちゃんはファントムをみつけがちだよね。子供のほうがやっぱりそういう感度いいのかな・・・やはりエリックちゃんは座敷わらし・・・・・・。(オペラ座が繁栄しているのはエリックちゃんのおかげですね。)

キャリエールさん、あれだけエリック、エリックて名前を呼んでいたら気づかれてしまうよ。でもぜんぜん気づかない真那ルドゥ警部。邪魔をされて拳銃を奪われて、けっきょくその拳銃はファントムの手に渡ってしまう。不審に思おうよ、真那ルドゥ警部・・・どれだけ彩風ジェラルドのこと信じてるの・・・こんなところにもまたひとつキャリエールさんの罪を見つけてしまった。

従者さんたち大活躍。でも真那ルドゥ警部が笙乃従者ちゃんを殴っちゃうのは、違う。真那さんは女の子を殴ったりしないよ解釈違いです!

彩凪シャンドンの手にする剣は精霊の祝福をうけた銀のレイピア、朝美シャンドンの剣は選ばれし勇者だけが手にすることが出来る伝説の剣(その話以前どこかで。)みたいなイメージ。剣を手にする姿ひとつにも少女漫画と少年漫画のような違いがある。役替わりっておもしろい。

従者たちは口がきけないのかなと思いきや、フィリップと格闘しているとき、けっこう声がでているので喋る事は出来るのだと知る。諏訪くんの眼光が鋭くて、その瞳で睨んでいるのはシャンドン伯爵なのか、それとも遠いかつての敵なのか。

カルロッタの持ってきた杯の中の匂いでそれが毒だと解る博識なエリックちゃん。そしてクリスティーヌの楽屋にまさかの仕掛け。プライバシーとかないのかここは。

クリスティーヌ!と、絶叫してセリ下がるシャンドン伯爵。なんだか、次週に続く、て感じがする。

 

眠るクリスティーヌと、悪者からお姫様を救う王子様のように正義感に燃えているエリックをのせて小舟は地下の川を行く。川はこの世とあの世を別つもの。エリックにとっては地上こそが地獄だった。その地獄からクリスティーヌを助けだし、行くのは黄泉の国ではなく、楽園。エリックは二人の楽園へと、漕ぎだすのであった。望海エリックの瞳は希望に輝き、勇壮で、明るくはずむような音楽は、エリックの心そのもののようだった。

 

一幕終わり。二幕につづく。

 

長い。